派遣国の歴史や考えを現地の語りから学ぶことができたことは、実際に現地に行かないと得られない経験

CA6に応募した動機は、3ヶ月間に渡り経済的・学業的支援を受けながら協定校で勉強できる点でした。もともと留学に興味はあったものの、金銭面や日本での研究のバランスが大きなハードルでした。しかし、必要費用(生活費・渡航費の一部)の多くを大学側に負担していただける点。学業面でも同様に、大学の先生方がCA6について深く理解されていて、柔軟に対応していただけることを知った点。この2点があり、応募に踏み切りました。

実際に派遣先の大学を訪れ、学んだことはたくさんあります。現地での学びは主に授業とフィールドワークで構成されていました。

授業は主に2つ(①派遣先の教育政策、②派遣先の概要)を履修しました。授業①については、主に発展途上国の政策立案者が直面する主要な問題や課題に焦点を当て、教育政策に関する議論を紹介することを目的としていました。授業②については、名前のとおり、歴史、政治、経済、外交など、中国の概要について幅広く学ぶことができました。実際に現地で学ぶこれらの内容は、今まで座学で身に付けた知識とは異なっていました。語り一つとっても、私にとっては新鮮な視点だったのです。派遣国の歴史や考えを現地の語りから学ぶことができたことは、実際に現地に行かないと得られない経験だと思います。

フィールドワークに関して、他大学の先生方の特別講義、派遣国の学校訪問(幼~高までの7校以上)、上海以外の都市(杭州・北京)に足を運ぶ機会があり、どれも貴重な経験でした。特別講義では、香港大学やスコットホルム大学、UNICEF関係者など、それぞれの分野の第一人者の授業を受けることができました。議論する時間が多く設けられており、研究者たちと密に会話ができた点は非常に印象に残っています。学校訪問では、学校の設備見学だけでなく、管理職からの学校概要の説明や、先生方の教育に対する考えを聞く時間等が設けられており、学校の実態を深く把握することができました。

これら以外にも学びの時間は多くありました。例えば、授業の帰り道やフィールドワーク後の休憩時間などです。こうした時間に、CA6の学生と学んだ内容について考え直したり、振り返ったりしていました。時に夜中の3時まで話すこともありました。こうした時間で、各々の学生が持つ私とは違う視点や感覚を知ることができたと思います。確かに、全てが全て学術的ではありませんでしたが、このようなたわいもない会話は今でも印象に残っています。

こうした実りあるCA6を終えることのできた私は、大学院を修了した後に英語の教師として働きたいと考えています。英語教師として英語圏以外で生活した経験は貴重だと思いますので、ここでの経験や学びを上手に学校現場でも伝えることができたらと思っています。思い付きですが、英語教員として英語を教えていると、外国語=英語、外国=英語圏、なんて考えが強くなってしまいそうです。英語を学んで視野が狭くなっていては本末転倒です。そんなことないかも、って言える教師になれたらと思います。

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