日本と比較的近い文化を持つアジア諸国にある大学に飛び込んで授業を受けるという経験

私は大学生の頃からもともと留学したいという思いがあったのですが、残念ながらコロナ禍によって叶わず、大学院に入ってから留学できる方法を探していました。そんな私がCampus Asia 6のプログラムを選んだのは、大学院生にちょうど良い3か月という期間であること、経済的な支援が充実していること、自分の専門である教育について知見を広げられると考えたことなどの理由があります。教育という分野は地域色が強く、私はそれまで他国の教育制度や教育実践について学んだことがあまりなかったのですが、このプログラムの特徴である、日本と比較的近い文化を持つアジア諸国にある大学に飛び込んで授業を受けるという経験を通して、その国の教育事情を学べた上に、日本の教育について見つめなおすこともできました。

3か月にわたる滞在の中で最も印象に残っているのは、毎日の授業がとても刺激的だったことです。授業はオムニバス形式のような形で行われ、ご専門が少しずつ異なる様々な先生方の授業を受けることができました。受講者がとても少なかったことから、活発に質問や意見交換が飛び交い、講義を受けているというよりもディスカッションに参加しているという感覚の方が強かったです。様々な先生方に日本の教育政策や実態、課題等を尋ねられる機会が非常に多く、毎回答えることに苦戦しつつもなんだかとても楽しかったです。必然的にその国と日本を比較する機会も多くなり、日本の教育を外から見ることができるようになったのも、このプログラムで得た学びでした。フィールドワークも充実しており、様々な施設を見学させていただいた他、私が自分の興味や研究分野を伝えたところ、先生方が関連施設の見学を斡旋してくださるという経験もできました。

この留学で受けた授業を通して、私はそれまであまり触れてこなかった教育政策の分野に興味を持ちました。これは次世代の教育を語るための基礎基本となる分野であるため、自分が今後研究を進めるうえで重要な視点を獲得することができたことは、今回の経験から得られた成果の一つでした。また、文化の違う国である程度の期間を過ごしたことで、英語力はもちろん、コミュニケーション能力も身に付いたと感じます。滞在中、自ら能動的に動かなければ得られなかった経験も多く、自分の希望を伝えること、自分から積極的に動くこと、の重要性を学びました。これらはどんなキャリアを選んだとしても活かすことができる学びだと感じます。

最後になりますが、現地の大学の先生方やコーディネーターを始め、このプログラムを支えてくださっている方たちはいつもサポーティブで素敵な方たちばかりです。留学中、うまくいかなかったことももちろんありましたが、終わってみればすべてが良い経験になったと心から思えます。恵まれた環境を用意していただいたことに感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました!

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