背景と目的

グローバル化の急速な進展に伴い、貧困、差別、環境、水・エネルギー問題など、国境を超えて解決すべき地球規模課題が増大している。それらは相互に連関し、国際的な政治・経済的文脈と密接に結合しており、個別的解決は困難である。よって、人々が国境を超えて未来の社会像を共有し、課題の深層にある要因を追究しつつ、協働して解決を目指す国際的コミュニティの形成が不可欠であり、その土台になるのが公教育の変革である。


本プログラムの目的は、こうした新しい視座に立って教育政策を企画・立案し、各国・地方の文脈で具現化することのできる教育政策マネジメントの専門的人材を育てることにある。その育成は、課題の諸要因や教育制度等の科学的な追究に留まる思考様式でできることではない。少なくとも、

  1. 各課題の直接的要因をミクロレベルで科学的に解明する研究者間の協働、
  2. 各専門分野の科学的知見を学問融合的に検討して深層要因の連関性を捉え解決策を追究するメゾレベルでの学際的協働、
  3. 政治・経済等の社会的文脈を踏まえて学際的かつ国際的な取組みで解決を図るマクロレベルの協働

を必要とする。つまり、課題が生起している現場(フィールド)に入って当事者目線で実地調査(フィールドワークや実験等)を行うとともに、自然・人文・社会の諸科学に跨がる学問を融合して教育政策の立案に繋げていく様々な協働が欠かせない。

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